2021年春ドラマ21作を視聴率無視でガチ採点! 最高評価は『コタロー』『半径5メートル』


テレビドラマとは、ドラマ形式のテレビ番組の一種。和製英語。 テレビドラマの語源は英語だが、英語圏で"TV Drama"の語は用いられず、連続するテレビ番組を指す「テレビシリーズ(TV series)」を用いる。「テレビシリーズ」はバラエティ番組・ニュース番組・ドキュメンタリー番組など広範に包括する
35キロバイト (4,799 語) - 2021年5月2日 (日) 07:20


着飾ると、ドラゴン桜かな

中村倫也のハマりぶりにも注目『珈琲いかがでしょう』
主要21作がそろった2021年の春ドラマ。今回もドラマ解説者の木村隆志が、全新作の初回放送をウォッチ。俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視!」したガチンコでオススメ作品を探っていく。

別記事(2021年ドラマ21作の傾向分析! オススメ1位は『コタローは1人暮らし』) において、2021年ドラマの主な傾向を「オリジナルVS原作アレンジ」「ドラマ23時台の時代へ」の2つと分析。

おすすめドラマとして、『コタローは1人暮らし』(テレ朝系 土曜23時30分)、『コントが始まる』(日テレ系 土曜22時)、『半径5メートル』(NHK 金曜22時)、『珈琲いかがでしょう』(テレ東系 月曜23時6分)、『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK 土曜21時)の5作を選んだ。

本記事では、それらを含む全作品のショートレビューと、目安の採点(3点満点)を挙げていく。
■『イチケイのカラス』 月曜21時~ フジ系

出演者:竹野内豊黒木華、新田真剣佑、小日向文世ほか
寸評:原作の主人公を変え、性格を変え、エピソードまで変える大胆アレンジ。ただ確信犯的に『HERO』に寄せた分、「初の裁判官ドラマ」という魅力が薄れた。これほど脚色するならオリジナルでよかったのでは。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

■『きれいのくに』 月曜22時45分~ NHK

出演者:吉田羊、稲垣吾郎、青木柚、見上愛、岡本夏美ほか
寸評:ファンタジーという言葉ではくくれない超難解な物語。意味不明なのに引かれてしまうのは、説明過多なドラマが多い反動で新しく見えるからだろう。大人と高校生、各俳優の静かな熱演は見逃せない。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】

■『珈琲いかがでしょう』 月曜23時6分~ テレ東

出演者:中村倫也、夏帆、磯村勇斗ほか
寸評:中村のハマりぶりはもちろん各話のゲストにじっくり演技をさせる荻上直子の脚本・演出は余韻たっぷりで映画『かもめ食堂』を思い出した人も多いのでは。主人公の過去も気になり、最後まで楽しめそう。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆

■『大豆田とわ子と三人の元夫』 火曜21時~ カンテレ・フジ系

出演者:松たか子、岡田将生松田龍平、角田晃広ほか
寸評:いかにも坂元裕二の脚本で、随所にテクニックを感じる一方、人物のクセが強く、冗舌すぎるため、メリハリに欠ける印象も。テーマと見せ場の不明瞭さも含めて、好き嫌いがはっきり分かれてしまう作品。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】

■『着飾る恋には理由があって』 火曜22時~ TBS系

出演者:川口春奈横浜流星、丸山隆平ほか
寸評:20代の若手主演とオリジナルラブコメで攻め続け、しかも胸キュンから徐々に幅を広げる火曜ドラマインフルエンサー、ミニマリスト表参道でルームシェアと浮世離れな設定で共感を集められるか。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

■『恋はDeepに』 水曜22時~ 日テレ系

出演者:石原さとみ綾野剛大谷亮平ほか
寸評:「海を守りたい」vs「海を開発したい」という禁断の恋も、におわせまくる人魚風のシーンも、序盤はキュンやバズにつなげられていない。主演2人の年齢層にド真ん中のラブコメはミスマッチ感も。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

■『桜の塔』 木曜21時~ テレ朝

出演者:玉木宏、広末涼子、椎名桔平ほか
寸評:テレビ朝日らしい一話完結の刑事ドラマフォーマットを捨て、警視総監を目指す人間ドラマにフィーチャー。同局の中では新しいが、他局にしてみれば今さらで、当枠を支えてきた視聴者の支持も微妙か。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

●演技巧者ぞろい『半径5メートル
■『レンアイ漫画家』 木曜22時~ フジ系

出演者:鈴木亮平吉岡里帆、片岡愛之助ほか
寸評:主人公を入れ替え、ヒロインの年齢と性格も変えて、エンタメ性を高めたが、「いい人をだます」という序盤の展開が視聴者の反感を買ってしまった。引き取った甥とのホームドラマが作品の救いになっている。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

■『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』 木曜23時59分~ 読売テレビ日テレ系

出演者:吉川愛、板垣李光人、水野美紀ほか
寸評:ダブル主演の吉川と板垣はフレッシュで作り手の意欲あふれるキャスティングだが、水野と桐山漣に押され気味。「時代を反映した恋愛群像劇」「多様性を尊重」という意味での見ごたえが足りないか。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】

■『半径5メートル』 金曜22時NHK

出演者:芳根京子、毎熊克哉、永作博美ほか
寸評:女性週刊誌の描写とエピソードが丁寧で、個性的な編集部員も演技巧者ぞろい。映画監督の三島有紀子が手掛ける映像も美しい。社員編集者フリー記者の関係性も絶妙で、永作が演じるオバハンライターは最高。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆
■『リコカツ』 金曜22時~ TBS系

出演者:北川景子、永山瑛太、佐野史郎ほか
寸評:基本的に2人芝居のコンセプトだけに、北川と瑛太の出来がすべてか。ゴールの形は予想がつくだけに、もう少し自衛隊キャラの割合を減らして、名作『最高の離婚』のような演技合戦で引き付けたいところ。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

■『あのときキスしておけば』 金曜23時15分~ テレ朝

出演者:松坂桃李、井浦新、麻生久美子ほか
寸評:もはやおなじみの入れ替わりファンタジーで、最大の見どころは井浦の演技…と思いきや、松坂のダメ男ぶりと振り回される姿を楽しむ作品にもなっている。大石静の脚本らしい強烈なセリフにも期待したい。
採点:【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

■『生きるとか死ぬとか父親とか』 金曜24時12分~ テレ東

出演者:吉田羊、國村隼ほか
寸評:人生相談をベースにしたヒューマン作だが、今いち心に響かないのは「NHKドラマか!」とツッコミたくなる道徳的な脚本か。珍しく吉田がラジオパーソナリティの役をつかみ切れていない感がある。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆】

■『今ここにある危機とぼくの好感度について』 土曜21時~ NHK

出演者:松坂桃李、鈴木杏、松重豊ほか
寸評:松坂が演じる、薄い、浅い、その場しのぎ主人公はクセになる上に、危機管理における問題点の核心を突いている。大学側の人物描写にも、愚かさと悲哀が浮かび、日本人組織の縮図を見ているよう。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆

●5歳児の言葉に涙を誘われる『コタローは1人暮らし』
■『コントが始まる』 土曜22時~ 日テレ系

出演者:菅田将暉有村架純神木隆之介ほか
寸評:冒頭のコントからはじめる構成と伏線回収に感心し、芸人トリオファン女性の絆に感動させられる。大胆かつ緻密なプロデュースは素晴らしく、脚本の金子茂樹は前作に続いて進化が止まらない。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆

■『泣くな研修医』 土曜23時~ テレ朝

出演者:白濱亜嵐、木南晴夏、恒松祐里ほか
寸評:かつて定番だった研修医モノの復活はいいが、土曜23時台のミスマッチ感と30分枠の短さが気になる。パワハラ全開の医局に違和感があり、これをエンタメとみなすのは昭和ドラマの感覚かもしれない。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】

■『私の夫は冷凍庫に眠っている』 土曜23時25分~ テレ東

出演者:本仮屋ユイカ、白洲迅、斉藤由貴ほか
寸評:「これを放送していいのか?」と目と耳を疑うほどのサイコホラーだが、「次にどんなトンデモが…」とついつい見てしまうタイプの作品で、差別化に成功。斉藤の存在が物語の世界観を担保している。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

■『コタローは1人暮らし』 土曜23時30分~ テレ朝

出演者:横山裕、川原瑛都、山本舞香百田夏菜子生瀬勝久ほか
寸評:ほのぼのとしたコメディと、胸を締め付けられる切なさが同居。強くも幼い5歳児の言葉に涙を誘われる。視聴者主人公の目線で見守りながら、大人が忘れてしまった気づきを得られるのもポイント
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆

■『最高のオバハン 中島ハルコ』 土曜23時40分~ 東海テレビ・フジ系

出演者:大地真央、松本まりかほか
寸評:下世話だが痛快、ド派手で開けっ広げなムードは名古屋の物語らしく、東海テレビ制作の真骨頂。奇抜な役だが大地と松本に迷いはなく、第1話から役をつかんでいた。画面上の演出過多がもったいない。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】

■『ドラゴン桜』 日曜21時~ TBS系

出演者:阿部寛長澤まさみ及川光博ほか
寸評:学校や理事長を変え、生徒も普通から落ちこぼれに変えるなど前作以上に原作を脚色。演出も前作から日曜劇場仕様に世界観が激変し、もはや別作品に。1クールで生徒の物語や勉強法まで消化できるか。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

■『ネメシス』 日曜22時30分~ 日テレ系

出演者:広瀬すず櫻井翔江口洋介ほか
寸評:キャストの豪華さとトリックをはじめとする専門家の監修は今春随一。それだけの力作なのだが、ネット上には肝心のトリックを揶揄する声が目立つ。コメディのさじ加減もあいまいで、見る人を選ぶ笑い。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

木村隆志 きむらたかし コラムニスト、芸能・テレビドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月30本のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』など。 この著者の記事一覧はこちら
(木村隆志)

画像提供:マイナビニュース


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