【ロングインタビュー】『カムカム』川栄李奈 本郷奏多がオーディションの思い出を明かす


連続テレビ小説 > カムカムエヴリバディ 『カムカムエヴリバディ』は日本のテレビドラマ。NHKが2021年11月1日(月)から2022年4月9日(土)まで放送する「連続テレビ小説」第105作。 岡山・大阪・京都を舞台として昭和から令和の3つの時代をラジオ英語講座と共に生きた祖母、母、娘の3世代のヒロ
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またドラマの雰囲気が変わってきますね。

 現在放送中の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』。昭和から令和に至る時代を、ラジオ講座と共に歩んできて祖母、母、娘という3代に渡る親子の100年間を描く壮大な物語も、いよいよ終盤に差し掛かった。深津絵里演じるるいの娘・ひなたとして作品に登場する川栄李奈、そしてひなたと恋模様を繰り広げる若き時代劇俳優・五十嵐文四郎を演じる本郷奏多が、作品のトリを務める意気込みを語った。

【写真】3代目ヒロイン・ひなた役の川栄李奈、若き時代劇俳優・五十嵐文四郎役の本郷奏多 撮り下ろし写真

何をやっても長続きしないひなたは、まるで自分を見ているよう


――安子編では安子と稔、るい編ではるいと錠一郎とのキュンキュンするような恋模様が描かれていますが、ひなたと文四郎はどんな雰囲気の恋が描かれるのでしょうか?

川栄:私もオンエアを観ていて、安子さんとるいちゃんはキュンとする恋模様だなと感じていましたが、ひなたと五十嵐さんは、キュンキュンもありますが、どちらかと言うともっと元気な感じの恋愛模様だと思います。

本郷:時代が現代に近づいてきているので、これまでの安子さんのような古き良き時代の女性というよりは、ひなたはもっと前に出てくるような感じなので、どちらかと言うと子どもっぽいやり取りが多いですね。その意味で2人の掛け合いを楽しんでもらえたらと思います。

――それぞれが演じるキャラクターの魅力と、自分と似ている部分を教えてください。

川栄:ひなたは一生懸命だけれど、なかなかうまくいかないような不器用女の子。でも、だからこそ応援したくなるような魅力があると思います。共通点は、何をやっても長続きしないところ。まるで自分を見ているようです(笑)

本郷:僕が演じる五十嵐は、時代劇スターを夢見て頑張っている男の子です。ひょんなことでひなたと出会うのですが、ひなたに対してなんかライバル意識を持っているというか…なかなか意地悪なんです。でも、その不器用さみたいなものが、応援したくなるキャラだと思います。共通点に関しては、僕は割と器用に世の中を渡り歩いてきたタイプだと思うので、違うなと思いつつも、仕事に対して真面目な部分は似ているなと感じています(笑)

こんな人見たことないというくらい変わっています(笑)


――川栄さんは、『とと姉ちゃん』(2016年)以来の連続テレビ小説ですが、ヒロインとして臨む朝ドラはいかがですか?

川栄:シンプルに出番やセリフが多いのでうれしいです。ヒロインって、いろいろな人と関われるのが魅力です。作品に入る段階では、あまりプレッシャーは感じていなかったのですが、オンエアを観ていて、安子さんもるいさんも稔さんも、みんな「ひなたの道を歩きたい」と言っていたので、そのひなたが私なんだと思ったら、急にプレッシャーを感じてきました(笑)

――本郷さんは連続テレビ小説初出演ですが、現場はいかがですか?

本郷:単純に撮る量がメチャメチャ多いなと。普通の連続ドラマより大変だなと思っているのですが、そんな中、川栄さんは出番やセリフがすごく多い。しかも英語のセリフもある中、現場でまったく眠たそうにしていないのがすごいなと思いました(笑)

――ヒロインバトンを受け継いでいますが、上白石萌音さん、深津絵里さんとは何かお話をしたのですか?

川栄:3人でポスター撮影があったのですが、そのときは「みんなで頑張ろうね」という話はありましたが、実際撮影に入ってからは、特別つながりのことで話したことはなかったです。いま深津さんと現場がご一緒なのですが、撮影に入るとお母さんでいてくださるので、自然と作品に入れています。

――連続テレビ小説は特殊な現場とよくお聞きしますが、撮影に入って鍛えられたなと思う部分は?

川栄:関西弁に英語、膨大なセリフと、これまで26年間生きてきた中で、一番勉強しています。これまであまり勉強してこなかったということもあるのですが、頭に詰め込んでいるこの作業は、どこかでプラスになるのでは…と思っています。

本郷:僕は現場で、川栄さんの姿を見てすごく刺激を受けています。とにかくハードスケジュールの中、やることもたくさんあって、普通なら頭がパンクしてしまうような状況だと思うのですが、そういう感じがまったくない。僕だったら愚痴をこぼしてしまうと思うのですが、全然そんなところがないんです。本当にめちゃくちゃ尊敬しています。

――川栄さんは本郷さんに対してどんな印象をお持ちですか?

川栄:こんな人見たことないというくらい変わっています(笑)。でも悪い意味ではなく、知れば知るほど面白いし好きになるのですが、あまり人を寄せ付けないですよね。さらけ出したらみんな寄ってきて大変だと思うぐらいなんですけれどね。

本郷:川栄さん、いつも僕のこと見てニヤニヤしているんです。結構下に見ていますよね?

川栄:そんなことないです! 本当に何をしても面白いので、ほほ笑ましく見ているんです。

――現場の雰囲気はいかがですか?

川栄:すごく和やかで、温かい空気が流れています。毎回緊張で頭の中がパニックになることが多いのですが、深津さんがすごく優しくフォローしてくださるので、本当に助かっています。(父親役の)オダギリジョーさんも、劇中と同じようにすごく優しいんです。

本郷:時代劇サイドでは、松重豊さんとご一緒することが多いんです。一見、ビビッてしまうような佇まいなのですが、お話をすると、とても柔らかい方で、楽しくお芝居させていただいています。

川栄、本郷が受けたオーディション思い出


――物語ではこれからオーディションシーンもあるようですが、お2人にとって思い出に残るオーディションはありましたか?

川栄:このドラマオーディションはすごく印象に残っています。最終審査の1つ前に、質疑応答の時間があったのですが、私だけ質問が1つで、全然盛り上がらなかったんです。ほかの方はたくさん質問があって、良い感じだったので、終わったあと「ダメだな」と思っていたんです。それなのに合格したので、やっぱりオーディションって分からないなって思いました。

本郷:僕は細かいものを合わせると、4歳から芸能活動をしてきたので、オーディション100以上受けてきました。昔のことはあまり覚えていないのですが、1つだけ、小学校4、5年生のころに受けた作品で、いきなり「女性のADさんにキスをしてください」という試験があって…。ビビッてできなくて、そして落ちてしまったのですが、もしあそこでキスできたら受かっていたのかなって(笑)

――ひなたは何をやっても長続きしないという女の子ですが、お2人にとって長続きしていることは?

川栄:英語を話す役だったので、自分で英語の本3冊とDVDも買ったのですが、結局一度も開けていないんです(笑)。だから長続きしないひなたの気持ちはすごく分かります。でも発音のレッスンは半年前から先生に習ってやっていました。これも仕事じゃなかったら続いていないと思います。

本郷:僕は興味を持つと突き進むタイプなので、ある程度の知識量まで行くんです。でも器用貧乏なところがあって、突き詰めるところまでいけない。広く浅くという感じです。でも唯一、変わらず熱量を持って続けているのが、お芝居の仕事なんです。これを失ったら何も残らない人間なので、気を引き締めて、これからも清廉潔白で臨みたいです(笑)

――ラストを飾るひなた編です。意気込みを。

川栄:とにかくひなたは自由で伸び伸びとした女の子。そんな元気で明るい物語を楽しんでいただきたいです。

本郷:ひなたさんは安子さんから血のつながった物語の中にいますが、五十嵐にはそういったつながりがないので、あまりこれまでにとらわれることなく演じつつ、でもひなたを形成している過去を大切に組み立てていきたいです。(取材・文:磯部正和)

 連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』はNHK総合にて毎週月曜〜土曜8時ほか放送(土曜日は1週間を振り返り)。

連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』に出演する本郷奏多、川栄李奈 (C)NHK


(出典 news.nicovideo.jp)