「日本沈没」好調 TBS「日曜劇場」の歴史と「大河ドラマ」との類似点や相乗効果


日曜劇場』(にちようげきじょう)は、1956年12月2日よりTBS系列で、毎週日曜日の21:00 - 21:54(JST)に放送されているテレビドラマ枠である。ステレオ放送、連動データ放送(2009年4月より)を実施している。 1956年12月に放送を開始した、60年以上の長い歴史を持つ民放ドラマ番組枠である。
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やはり日曜枠は「半沢直樹」や「仁」などが印象的ですね。

「日曜劇場」の新作「日本沈没-希望のひと-」(TBS系)が好調です。初回平均視聴率は15.8%。前作「TOKYO MER~走る緊急救命室~」や前々作「ドラゴン桜」に続き、クールを代表する連続ドラマになる予感がします。

 とはいえ、ヒット作を連発する枠だけに、出演者やスタッフプレッシャーはかなりのもの。主演を務める小栗旬さんも「A-Studio+」(同)で、その胸中を明かしました。

 友人でもある鈴木亮平さんの主演作「TOKYO MER」が当たったことについて、「すごくうれしい半面、何やってくれとんねんと。チョー比較の対象になるじゃないですか」と苦笑していたのです。それほど強い枠になっているということでしょう。

転機となった「半沢直樹

 ではなぜ、「日曜劇場」は強いのでしょうか。枠としての歴史は古く、誕生したのは1956年。当初は1話完結の単発スタイルでした。内容もさまざまでしたが、石井ふく子さんが手掛ける女性向けホームドラマが印象に残っています。

 それが、1993年リニューアル。1クールの連ドラスタイルに変わりました。男性も楽しめるような作品を、という方向性が打ち出され、初期には田村正和さん主演の「カミさんの悪口」がヒットします。

 ただ、この路線はなかなか定着しませんでした。その後、2000年2003年に視聴率30%超えの大ヒット作が生まれますが、その2作はともに木村拓哉さん主演の「ビューティフルライフ」と「GOOD LUCK!!」です。いわば、キムタク人気によるところも大きく、枠としてのカラーはまだ確立しておらず、しばらくは何でもあり的な状況が続きました。

 しかし、2013年に大きな転機が訪れます。堺雅人さん主演の「半沢直樹」が大ヒット最終話の視聴率は、平成の民放連ドラマで最高の数字を記録しました。原作は池井戸潤さんの小説で、これを機に池井戸モノが「日曜劇場」の柱の一つになります。

 また、「半沢直樹」の次に放送されたのは木村さんの「安堂ロイドA.I.knows LOVE?~」でした。これがいつもほど伸びなかったことで、この枠の方向性が定まったと言えます。

 ちなみに「半沢直樹」が大ヒットした理由としてよく言われるのが、現代の「水戸黄門」だという見方です。かつての時代劇が担っていた、勧善懲悪の痛快さを現代劇において楽しませてくれるのだと。確かに、それも一理あるでしょう。

 ただ、「半沢直樹」には“もう一つの大河”という側面もあります。同じ日曜夜の人気枠であるNHK大河ドラマと通じる魅力、実はそこにこそ、近年の「日曜劇場」の強みを感じるのです。

大河の悩みをクリアした「日曜劇場」

 1963年から放送されてきた大河ドラマは国民的なドラマ枠としての伝統を誇りつつ、慢性的なマンネリという悩みも抱えています。描かれる時代が数字の取りやすい戦国や幕末に偏りがちで、他の時代、特に、近現代をこなしきれていない印象です。

 おととしの「いだてん~東京オリムピック噺~」は意欲作で、熱狂的なファンも生んだものの、数字的には低迷しました。複雑なストーリー展開が災いしたとも言われています。

 そんな大河の抱える悩みを見事にクリアしているのが「日曜劇場」なのです。その成功例が「華麗なる一族」と「南極大陸」。ともに木村さんが主演で、昭和中期に実際に起きた出来事がモチーフとなり、ヒットしました。

 さらに、この2作品の間には「JIN-仁-」もヒット。幕末にタイムスリップした医師が主人公で、歴史上の人物も多数登場するという、まさに“もう一つの大河”を地で行くドラマでした。

 こうした流れの中で「半沢直樹」のような池井戸モノも生まれるわけです。男たちの夢と葛藤を主軸にした骨太な物語。それはまさに、大河のテーマとも重なります。また、「日曜劇場」がリニューアル時に打ち出した、男性も楽しめるような作品を、という方向転換も達成されました。

 一方、大河においては、年間1作と実話重視という縛りがネックになってもいます。どうしても、冒険がしづらいのです。その点、「日曜劇場」は1クールで実話にとらわれずに済むところを生かし、どんどん攻めていくことができました。勧善懲悪というテイストも、フィクションの方が入れやすいものです。

 そうこうするうち、枠としての評価が高まり、ますます豪華なキャスティングが可能に。大物役者を集めて、演技力バトルのような派手な芝居を繰り広げさせるという、大河のお株を奪うような展開も実現したわけです。

 ちなみに「日本沈没」の小栗さんは来年の大河でも主人公を演じますし、準主役として共演中の松山ケンイチさんも大河の主役を経験しています。さらに「TOKYO MER」の鈴木さんや「危険なビーナス」の妻夫木聡さんら、昨年以降の「日曜劇場」の主演は小栗さんを含めて、7人中5人が大河主役組です。

 かと思えば、「日曜劇場」の影響を感じる大河ドラマも生まれました。2016年の「真田丸」です。堺さんが主演し、大泉洋さんや草刈正雄さんらが繰り広げるクセの強い芝居やキャッチーなせりふが話題になったものです。

相乗効果を生む「大河」と「日曜劇場」

 実は大河と「日曜劇場」はここ数年、似てきた気もします。例えば、10月10日の夜「青天を衝け」では、吉沢亮さん扮(ふん)する大蔵官僚の渋沢栄一が「いや、承服できませぬ。国にまだ金のない中、そのような巨額な支出を決めるのは甚だ危険です」と熱弁をふるいました。

 その直後、「日本沈没」では、小栗さん扮する環境省の官僚が「そんなことはどうだっていい。私は今、日本の未来の話をしているんです」と叫び、SNS上では「かぶる」「つながってるみたい」という声も上がっていました。

 この2つの枠は今、相乗効果を生める関係なのかもしれません。数字的にも意識はするでしょうが、方向性が似ているからこそ、質的なものでも高め合える、ライバル的構図を感じます。

 これからも両者が刺激し合って、日曜の夜を面白くするドラマを作り続けてほしいものです。

作家・芸能評論家 宝泉薫

小栗旬さん(2019年6月、時事)、堺雅人さん(2017年10月、同)、鈴木亮平さん


(出典 news.nicovideo.jp)



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