【ドラマ】『SUPER RICH』どちらの沼に落ちる⁈“デレ”赤楚衛二と“ツン”町田啓太


SUPER RICH』(スーパーリッチ)は、フジテレビ系「木曜劇場」枠で2021年10月14日から放送されているテレビドラマ。主演は本作がゴールデン・プライム帯の連続ドラマ初主演となる江口のりこ。 氷河衛(ひょうが まもる) 演 - 江口のりこ(幼少期:志水心音)
14キロバイト (1,216 語) - 2021年10月19日 (火) 12:01


どっちだろう〜。

ゼロになれるって案外気持ちいいことなのかもしれない。『SUPER RICH』第2話を観て、そんなことを思った。



※以下第2話、一部ネタバレあり

盟友・亮(戸次重幸)の裏切りに遭い、全財産を失った衛(江口のりこ)。大手IT企業・MEDIA社から支援を受けるには、1500万円の純利益を出さなければいけなかった。徹底したコストカットと懸命な営業を重ねたが、1500万円には届かない。最後の手段は、赤字部門の編集部を切ること。だが、衛は人を切ることだけはできなかった。


その結果、衛の経営するスリースターブックスは華やかなオフィスを失い、ボロボロの一軒家に移転。お荷物でしかなかった編集部とインターンと共に再出発を切ることとなった。


はたから見れば、目も当てられないような悲惨な転落劇。でも、古びた平家で「みんな、ようこそ我が家へ」と笑う衛は、今までよりもずっとすっきりとした顔をしていた。衛ってこんなににこやかな顔で笑うんだと、虚をつかれるような気持ちにさえなった。


きっと会社が大きくなるにつれて、衛は経営者として背負わなければいけないものがどんどん増えていったんだろう。名声と引き換えに、伸びやかな心を失ってしまったんだろう。


だけど、余計な荷物を全部手放したことで、衛はまた会社をはじめたばかりの頃の自分に戻れた。衛がここまで会社を大きくできたのは、人を信じる心があったからだ。だから、亮がついてきて、今吉(中村ゆり)がついてきて、東海林(矢本悠馬)や鮫島(菅野莉央)、碇(古田新太)がついてきた。きっとここから衛は、この四隅をとられたオセロゲームをひっくり返していくだろう。その鍵となるのは、人を信じる心だ。


そして、そんな衛の信じる心に救われたのが空(町田啓太)だった、ということも見えてきた。空はかつては衛と同じ経営者だったのだろうか。「ごめんな、宮村くん。君が一番社員をクビにしたくないのにな」という衛の発言から考えると、おそらく空自身が経営に行きづまり、社員を切らなければいけない状況に追い込まれた経験があるのだと窺える。絶望の淵で死も考えた空が、衛と出会って、救われた。空が衛に忠犬のように尽くすのは、衛が恩人だからだ。


衛と初めて出会ったときの、あの少し血走った追い込まれた目は、くっきりとした目元の町田啓太だから光る表現で。一瞬のシーンにもかかわらず、空が立たされた絶望の深さが、揺れる眼光からにじみ出ていた。ついにで言うと、町田啓太、めちゃくちゃメガネが似合うので、もっとメガネをかけてるシーンください。


また、空の衛に対する忠誠心の背景が見えてくればくるほど、優(赤楚衛二)との関係性が面白くなってきた。



【関連】『SUPER RICH』金がない!江口のりこ、赤楚衛二・町田啓太に宣言した“ケリつける”とは


今回、思わず「湧いたー!」となるのは、お腹を空かせた優に空が食事をおごるシーン。そこで赤楚衛二ファンにとってはおなじみの「うんま!」が飛び出した。しかも、それを目の前で聞いているのは、あの町田啓太。こんなの、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)のあの名シーンを思い出すなという方が無理な話。優、実はさわると人の心が読めるとか、そんなことない…?


そんな視聴者の浮かれ気分とは裏腹に、ちゃっかり衛との距離を縮めている優の存在が、空は完全に面白くない様子。衛のインタビュー記事の切り抜きカードにして肌身離さず持ち歩いている優。それを優が財布にしまおうとしているのを、こっそり取ろうとしたり。段ボール箱を抱えて「前が見えない」と立ち往生している優に「前が見えないくらい積むな」とツッコんだり。細かいやりとりから犬猿の仲感を醸し出していて、“ツン”が激しめの町田啓太と、まるで意に介さない赤楚衛二の関係性に思わずニヤニヤしてしまう。しかも、そんなツン系キャラなのに、自分の箸だけ勝手に下げられたり、微妙に不憫なところが、ますます空をいとおしい人物にさせている。


町田啓太が“ツン”担当なら、赤楚衛二は“デレ”担当。「子犬系男子」というキャッチコピーをほしいままにしているけれど、この子犬、思った以上にちゃっかりしている。いつの間にかインターンの会話に混ざりこんでいたり、衛の家のお風呂を借りたり。人と距離をつめるのがうまいのか、ついつい周りがほっとけなくなるのかわからないけれど、気づいたらそこにいるのが当たり前になっている不思議なキャラクターだ。


風呂上がりシーンでは、素肌にパーカーというあざとすぎる恰好を披露し、もはや完全に魔性の子犬。ねえ、そのチャック、下げすぎじゃない…?


衛がつくったボロボロのおにぎりをひとりで食べながら「もっとしっかり握ってほしいな」と目尻を垂らす優。独り言でこんなに可愛いんだったら、隠しカメラを入れて優の1日密着動画とかYouTubeにあげてほしい。たぶんみんなガンガン投げ銭するんで、1500万円くらい秒で集まると思います。


あまりに人の心をつかむのがうますぎて、優に関しては何か裏があるんじゃないかと疑うレベル。まさかじゃないけど、これで衛を陥れた黒幕が優だったら、確実に人間不信になるので、どうか優は最後までピュアキャラでいてください!


【関連】きゅるんな赤楚衛二の上目遣いに悶絶『SUPER RICH』が魅せたヒロインとの新たな関係性


文:横川良明



第3話あらすじ

氷河衛(江口のりこ)はオフィスビルを引き払い、従業員を整理して、古い一軒家を借りて新生『スリースターブックス』を始めることにした。衛について来たのは、宮村空(町田啓太)や今吉零子(中村ゆり)たち役員と、なぜか田中リリカ志田未来)たちインターンの3人。また、会社の核となる電子書籍編集部の碇健二(古田新太)、鬼頭流星(嘉島陸)も加わる。だが、空たち全員が不思議なのは、春野優(赤楚衛二)の存在。ただで雑用もすると言うので好都合だと、衛は優を重宝しているようだが、会社に一緒に住むと聞いた空は気が気でない。


新生『スタースリーブックス』の初仕事として、衛は“ビッグバン作戦”を提案。有望な新人作家を自社で発掘するため、漫画コンクールを開催するという。鮫島彩(菅野莉央)や豪徳尊(板垣瑞生)は疑問に思うが、碇は乗り気。また、衛は並行して最近作品を描いていない漫画家や、まだ電子書籍化していない作家にも仕事のオファーをすると言い、誰もが知っているが近年は作品を発表していない、北別府K(松田美由紀)に目星をつけていた。


【画像】第3話場面カットをもっと見る(全14枚)


早速、衛が北別府に会いに出かけると、優がついてくる。一方、衛が留守の会社には、1人の紳士が訪ねて来る。投資家だと名乗るその紳士は、今吉たちにある提案を持ちかけて…。


きゅるんな赤楚衛二の上目遣いに悶絶『SUPER RICH』が魅せたヒロインとの新たな関係性


■木曜劇場『SUPER RICH』
毎週木曜よる10時放送
出演者:
江口のりこ、赤楚衛二、町田啓太、菅野莉央、板垣瑞生、嘉島 陸、野々村はなの、茅島みずき、矢本悠馬、志田未来、中村ゆり、戸次重幸、美保 純、古田新太松嶋菜々子
主題歌:『ベテルギウス』優里(ソニーミュージックレーベルズ)
脚本:溝井英一デービス(『監察医朝顔』脚本協力、『癒されたい男』 他)

(C)フジテレビ


ドワンゴジェイピーnews


(出典 news.nicovideo.jp)